ビジネスで使える英会話はこうやって勉強する 〜リスニング編〜

ビジネスで使える英会話はこうやって勉強する 〜リスニング編〜

海外の人と仕事をする時に頭を悩ませる英会話。ここでは「普通に仕事で使える英会話」レベルを目指す勉強法をご紹介します。長くなるので、リスニング編とスピーキング編に分けて、ご紹介します。

英会話を勉強する心構え

いきなりハードな話をしますが、本気で英会話を勉強するのであれば、「朝から晩まで英語漬け」生活を3ヶ月過ごしてください。

やってみれば分かりますが、かなりきついです。

でも、今「普通に会話できるレベルでいいから、今度こそ英会話ができるようになりたい」と思っている人は、今までにもさまざまな教育教材やトレーニングに励んできたはずです。

でもその度に思ったほど効果が出てないのではないでしょうか。少なくとも自分がそうでした。

自分は35歳ぐらいの時、コンサル先の企業がイギリスのメーカーの製品を仕入れていたため、ミーティングや海外出張が多い現場でした。テレカン(電話会議)も毎日ありました。

これはヤバイと思って、朝から晩まで英語漬けの生活を3ヶ月ほど送ったのです。2-3ヶ月すると、相手が言っていることが「すっ」と頭に入ってくるし、ミーティング前の軽い冗談なんかも話せるようになってきました。

でも、この3ヶ月はきつかったです。勉強は自分との闘いですから、自分でやるしかない。すぐにめげそうになるからね。

今、うちの会社はバイリンガルな日本人や帰国子女が多いんだけど、彼らに聞いてみると、期間はまちまちだけどやはり、「朝から晩まで死ぬほど勉強した」という時期が必ずありました。

帰国子女だから勝手にペラペラ喋れるようになるわけじゃないんです。

みんな、ハードに勉強している時期があるんです。

一度その時期を越えてしまえば(=英会話スキルが身につけば)、もうそんな苦しい時期は一生来ないので、一度だけ、死ぬほど勉強する時期を作ってがんばりましょう。

リスニングの勉強法

「読む」「書く」「聞く」「話す」の4つのうち、なんといっても「聞く」=「リスニング」が一番大事。

日本人が英会話を苦手とするのは、相手の言っていることを聞き取れないからです。

相手がなにを言っているのか聞き取れれば、気持ちに余裕ができて、あまり上手に喋れなくても対応ぐらいはできます。

そこでまずは、リスニングを強化しましょう。

リスニング力を速攻で身につけるなら「Dictation」一択

dictationという勉強方法があります。「書き取り」という意味が示すように、英語を聞きながら、その場で書き取っていくという勉強法です。

めちゃくちゃしんどい勉強法なのですが、自分がいろいろ試してきたリスニング強化法において、dictationがもっとも効果的で、結局もっとも最短でした。

教材はCNN ENGLISH EXPRESSを使います。

なぜ、この英語雑誌を教材に使うかについては、理由が2つあります。

  1. 素材がニュースのため、喋っているのはアナウンサーで聞き取りやすい
  2. 初心者用→上級者用と素材が並んでいるので、自分のレベルに合わせて勉強しやすい

CNN ENGLISH EXPRESSは少し前の実際のCNNニュース(英語)を収録した雑誌です。

CDがついていて、アナウンサーが喋っていた実際のニュース音声が収録されています。

また、特に前半の初心者用素材では、英語+日本語訳がセットになってあり、単語や言い回しの解説も詳しく書かれています。

初心者用ニュース記事は長さも短いので、dictationにはぴったりです。

雑誌を買ったら、CDをMP3化してiPhoneとかにいれ、いつでもどこでも勉強できるようにしましょう。

また、「本当に英語が聞き取れない」という超初心者の人は、女性のスピーチだけを選択して勉強しましょう。男性よりも女性の声の方がはるかに聞き取りやすいからです。

Dictationの実践

CNN ENGLISH EXPRESSの前半の記事をどれか選択し、そのニュース音声を再生します。

まずは1文を流したら、そこで再生を止め、ノートに聞き取れた単語だけすべて書きます。

分からない単語があれば、その文だけを繰り返し再生します。

というか、dictation始めた頃は聞き取れた単語の方がはるかに少なく、手元のノートは穴だらけのはずです。

最初はそれでいいんです。自分もスタートした時はそんな状態でした。

でも、そこから食いついていくんです。

同じ文を何回も何回も繰り返し再生し、「もう今の自分にはこれ以上聞き取れない」状態までくれば、次の文に移動します。

次の文でも、何回も再生し、聞き取れるだけノートに英語を書いていきます。

これを1ページ分の記事の最後まで行います。記事の最後まで教材は見ずに、とにかく分からない単語や言い回しがあっても、空白のまま1記事分のdictationをします。

多分最初の頃は、CNN ENGLISH EXPRESS前半の短い記事でもdictationに1時間ぐらいかかると思います。

というか、自分の場合dictationを始めた頃は最初の2つぐらいの文で1時間かかっていました。

これが3ヶ月後には1記事全部を15分ぐらいでできるようになります(全部聞き取れるとは言ってない)。

継続は力なりとはよく言ったもので、dictationは継続することで驚くほど自分でも効果のほどが分かってきます。

1記事分のdictationを終えたら、そこで初めて「正解」の教材で自分のノートと答え合わせをします。

すると、聞き取れたと思っていた単語も驚くほど間違っていると思います。

そして、日が経つにつれ、「自分はどういう時に決まって聞き取れていないか」という傾向が分かってきます。

これが大事なんです。

今までなんとなく「英語で話しかけられると全然分かんないんだよ」と思っていたのが、「こういうのを聞き取れないから、『全部分かんない』と思い込んでいたのか」と感じるようになります。

よくある「ここが聞き取れていない」パターンは3つあります。

1つは英語独特の「単語がくっついて、音が変わる」時。

例えばCNNサイトのこの記事にある

a claim he has made before in the months leading up to the facility’s opening on Monday.

という文。

「leading up」は会話になると「リーディンガップ」と聞こえるし、「opening on」は「オープニンゴン」と聞こえます。

それぞれの単語は簡単なものであっても、くっついた発音になると途端に聞き取れなくなります。

不定冠詞(a、an)や前置詞(on、ofなど)とくっつくと、ほぼ必ず音が変化するので、dictationすることで「自分はこのパターンが弱いのか」と分かってきます。

2つめはさっきの「音が変わる」ことにも関わるのですが、前置詞を聞き取れないということ。

英語では前置詞が変わるだけでまったく意味が異なることも多いのですが、発音上は強調されないので、音が変化することもあり、最初のうちはほとんど聞き取れていないはずです。

例えば、youtubeで公開されている、このCNNのニュース。

冒頭のアナウンサーの挨拶だけをとっても、onやatを結構聞き取れていないはずです。

でも場所や時間を示すので、on 〜〜、at 〜〜が聞き取れていないと、なんの話題について話しているのか分からなくなります。

3つめは「省略表現」

例えば

“I’m confused. This is too much.”

と言われた時、「’m」を聞き取れていないと、「私は混乱した」と過去の話と勘違いしてしまいます。

でも実際は「混乱させられるよ。うんざり」と、今の状態を話しているんです。

基本的にはニュースやビジネス英語では「省略しないこと」がマナーとされています。

ビジネスで英文メールを書く時、たとえば

I would like to order this material.(この材料を注文したい)

と、全部書きます。でもこれが会話になると普通に”I’d like to …”と省略されます。

そして、省略された後の言葉(‘mとか’d)は「ほんとに発音してる?」というほど弱い音になるため、ますます聞き落としがちになります。

dictationを繰り返し行うことで、そのうち「音が変わる単語」「前置詞」「省略語」が自然と頭に入ってくるようになります。がんばって継続しましょう。

リスニングのコツは『全部聞き取ろうとしないこと』

dictationの勉強時にはすべて聞き取ることを目指します。

ただ、実際の英会話では相手の言っていることすべてを聞き取るのはほぼ無理です。

アメリカで10年過ごしたという人なら全部聞き取れると思いますが、社会人になって初めて本格的に英会話を勉強する人なら、一言一句聞き取れるようになるなんて無理ゲーです。

自分の周りの、外資でばりばり英語を使って仕事をしている人に聞いても「全部は聞き取れてないよ」という人ばかりです。もちろん自分も全部は聞き取れていません。

感覚的には6割程度聞き取れれば、十分コミュニケーションを取れます。大事な単語を聞き落とせば「なんて言った?もう一回言って」とお願いすればいいんです。

ただ、その「6割は聞き取れる」レベルに到達するには、「100%聞き取ってやる!」dictationを3ヶ月は勉強しないといけません。

英語の場合、文法上

大事なこと→補足→補足→補足・・・

と展開していきます。また、大事なことは強調されます。

だから、冒頭を全力で聞き取り、「今からこの人はこの話題について喋ろうとしているんだな」と概要を把握し、あとの補足部分は少しリラックスして、聞き流すようにすれば、無理なく全体を把握できるようになります。

ありがちなのが、「全部聞き取ろうと集中してるけど、ある単語を聞き落としてパニックになり、結局なにを言ってるのかさっぱり分からない」状態。

聞き落としなんて必ず発生するんです。

それよりも、キーになる単語は聞き落とさない、あとは気楽に聞き流すと構えることで、長い文を話されてもなんとかついていけるようになります。

『頭の中で和訳』を訓練する

よくリスニング教材では「頭のなかでいちいち和訳しない」と言われたりします。英語を聞いて、英語のまま考えなさいと。

無理です。

アメリカで留学していましたとかならともかく、ピュアな日本人である我々が最初っから、英語で聞いて英語で考えるなんて、どう考えても無理ゲーです。

だから、最初のうちはいちいち頭の中で和訳をします。

これは自分のステップアップ経験なのですが、こんな感じでリスニングスキルを経てきました。

  1. 相手の言葉を英語のまま、頭の中で再現する
  2. 次にいちいち和訳する
  3. 頭の中での英語→日本語変換に慣れるとスピードアップし、会話できる程度には変換速度が上がる

まず1. について。

dictationを頭の中で行うイメージなのですが、相手の言葉を英語のまま頭の中で再現していきます。この段階で和訳は必要ありません。

当然意味が分からないことが多いのですが、まずは聞き取ることが大事なので、「この人はなにを喋っているんだろう」ということを把握するために、英語を脳内ディスプレイに表示するのです。

その次に、それを頭の中で和訳していきます。

最初はそらぁ時間かかります。でもそれでいいんです。

これは電車の中でも勉強できますね。dictationはさすがに電車の中だと無理なので、落ち着いた場所で勉強する必要がありますが、脳内和訳は電車でPodCastやMP3を聞きながら、「1文聞いては再生を止め」を繰り返し、都度頭の中で日本語化していきます。

それに慣れてくると、和訳変換速度が向上してきて、最終的には「ん?脳内和訳してたっけ?」と思うぐらいの速度になります。

すると、英語で聞いて、そのまま理解していると勘違いするレベルになります。

我々が目指すのはこのレベルです。決して「日本語経由しない」nativeな状態ではありません。

日本語経由が無意識で行われるぐらいので、スピードアップ状態を目指すんです。

これはスピーキング、つまり自分が喋る時も同じことが言えます。

日本人である限り、英語で考えて英語のまま喋るなんて、これも超無理ゲーです。

最初はいちいち日本語で文を組み立て、英語に変換し、それを喋るのです。

慣れてくると、変換作業が劇的にスピードアップするので、思いついた瞬間英語で喋っているように見えるレベルになります。

だから、誰がなんと言おうと、気にせず脳内和訳を行いましょう。

英語は3拍子

自分が「劇的にリスニング力が向上した」きっかけとなったのは、これでした。

英語って3拍子なんです。ちなみに日本語は4拍子。

だから、日本語と同じリズム感覚で聞いていると、いつまで経ってもマシンガン英語トークについていけません。

リズムに慣れるまでは、まずなにを言ってるのか考えず、内容をまったく無視して、3拍子を感じ取ってみましょう。

感覚的には

「トン・トン・トン、トン・トン・トン、」

という感じで英語を聞いていきます。

CNNのニュースを聞いていても分かるのですが、必ずしもピリオド( . )で文を切っているわけではないんです。

たとえ文章の途中であっても、nativeは3拍子で切っていきます。

日本人にとって、英語を聞き取れない大きな原因は「文章の途中なのに切れる。ピリオドがあるのに続けて喋ってる」のに慣れていないからです。

リズムに慣れると驚くほど英語が頭に入ってくるので、3拍子を意識してみましょう。

英会話学校は役に立つか

役に立ちません。すいません。

自分は学生の頃と社会人になってからの2回、NOVAに通いました。学生の時は3年ほど、社会人の時は国の補助制度があったので半年、通いました。

しかし、英会話学校に通ったから「リスニング力(当時はヒアリング力と言っていましたが)が向上した!」と実感したことはありません。

じゃぁ英会話学校なんて行かなくていいのかというと、そうではなく、自分の場合下記の点で大変役立ちました。

  • 強制的にスケジュールされるので英語を勉強せざるを得ない
  • 外国人に対する恐怖心が緩和される

特に国の支援制度があった、35歳ぐらいの時に半年通った時は、半年で取得しないといけないコマ数が決められており(クリアしないと補助金が下りない)、週に2回だったかな、曜日と時間を決めて通っていました。

英語に限らず、勉強はなんでも長くて苦しいものです。嫌になる時ももちろんあります。

その時「スクール予定が決まってる」「通わないとお金がもらえない」という縛りは、勉強を続ける動機にはなりました。

そして、日本人が英会話を苦手とする大きな要因だと思うのが、この「外国人に対する恐怖心」だと思うのです。

恐怖心までいかなくても、気後れすることで、なんでもない会話なのになかなかうまく聞き取れなかったり、喋れなかったりする、そんな経験を日本人なら誰しも持っているんではないかなと思います。

今でこそ自分は初対面の外国人、それもビジネスだと相手がCEOやCTOみたいなお偉いさんと話すことも多いけど、普通に友達のように会話をスタートさせることができます。

英会話に慣れるまでは「あぁ、怖い・・・アメリカ人、なに、あんたのイケメン・・・その爽やかな笑顔を自分のぐだぐだな英語で壊してしまうことが怖い・・・あぁ・・・」みたいな状態でした。

その恐怖心=心のハードルは、NOVAに通い続けることで、かなり緩和されました。NOVAは外国人教師しかいないので、毎回必ず外国人と会話することになります。

また、NOVAには「VOICE」というメニューがあります。

VOICEは通常のレッスンを離れ、時間がある人が部屋に集まって、先生を囲んでフリーの話題で雑談するというものです(先生と時間は決まっている。参加者が決まっていないフリーレッスンみたいな感じ)。

ホームページ見るとVOICEの料金体系が分からなかったのですが、自分が通っていた頃はデフォルトのメニュー(たとえば月に4回、グループレッスンコース)に、一定のVOICEチケットが付属していました。

そのチケットを使い切るまでは追加料金なしで参加できるので、積極的に参加していました。

時間と場所は決まっているのですが(ただし、NOVA生徒ならVOICEはどの教室でも参加できる)、冒頭で先生が「今日はなんの話をしようか」と言うので、誰でもチャットのテーマを提案できます。

たとえば今だと「トランプ大統領って、どう思う?」なんて提案して、それでいこうとなったら、みんなの意見や考え方を交換するというチャットができるんです。

もう一度言いますが、自分が通った限りではリスニングとスピーキングの力が、英会話学校のおかげで上がったことはありませんでした。

その2つは自分で勉強して向上させつつ、それを試す場として、そして外国人とのコミュニケーションに対する心のハードルを下げるために英会話学校を活用すればいいと思います。

いくらリスニングとスピーキングを上げたところで、外国人と英語で話したことが一度もなければ、一人でアメリカ出張なんて無理ですからね。

まとめ

結局リスニングに関しては、dictationだけしか紹介していません。

つまり、それだけで十分なんです。

辛くて苦しい勉強法ではありますが、まずは3ヶ月間毎日みっちりdictationすると、ほかは特にリスニングの勉強をしなくても「すっ」と英語が頭に入ってくるようになります。

参考までに、自分が35歳の頃英語漬けにしていた3ヶ月は毎日こんな感じで勉強していました。

・6:00 – 7:00 CNN EXPRESSを使ってdictation

・8:00 – 9:00 通勤電車の中で英語PodCastを聞く

・12:00 – 13:00 昼休み、英語PodCastを聞く

・18:00 – 19:00 小田急百貨店の屋上でdictation

・19:00 – 21:00 Nova

・21:00 – 22:00 通勤電車でPodCast

・22:00 – 23:00 Polyglot Clubでチャット

今はどうか分からないけど、Polyglot Clubは当時「自分の母国語を教えるから、あなたが勉強したい言語(例えば英語)を教えてもらう」という趣旨のチャットです。

自分の場合当然教える言語は日本語ですね。

日本語を勉強している海外の人と、英語を勉強している自分が参加する、そういうチャットルームがたくさんあるので、そこに参加し、

「LOLってどういう意味?」と聞く代わりに「日本語で『私は』と『私が』は、どうやって使い分けるの?」という質問に答えたりします。

チャットで仲良くなった人がいれば、skypeでvoice chatすることもありました。

いずれにせよ、「朝から晩まで英語漬けにする」ことが大事だと思います。

教材は特にCNNやpolyglotにこだわることはなく、自分にあったもの、使いやすいものでいいと思います。

それを毎日、3ヶ月続けると必ず聞き取れるようになってきます。

苦しい3ヶ月ですが、一度「普通に聞き取れる」スキルを身につけてしまえば、あとはそこまで苦労しなくても大丈夫です。

今の時代、iPhoneでリアルタイム通訳してくれる精度の高いアプリが出てきましたが、やはり目の前の外国人とリアルタイムに英会話できると話は早いし、なにより楽しい。

これから英会話に取り組む人は、大変だと思いますが最初の3ヶ月だけはぜひ集中して勉強してください。

 

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