IoTは気持ち悪い

IoTは気持ち悪い

パナソニックがリカーリングモデルのパソコン販売へ

先日こんな記事が出た。

パナソニック、パソコンは売った後に稼ぐ

従来の売り切り型PCから、販売した後もパソコンのカメラで利用者の心拍数、まばたきなどからストレス分析、眠気検知などを行うという。

今回のパナソニックのサービスは法人向けだが、間違いなく一般消費者向けにもこの手のサービスは広がっていくだろう。

数年前からIoT時代到来と言われて久しい。

電子レンジも冷蔵庫も車もなんでもかんでもインターネットにつなげてしまえというコンセプトだ。

25年ほど前インターネットが広がりだした時、この流れは誰にも止められなかったし、今や社会インフラにもなってる。

それから四半世紀を経た今、IoTは止められない流れになるだろう。

しかし、個人的にはAIやブロックチェーンといった、こちらも今後の主流になっていくテクノロジーとは違い、IoTには生理的嫌悪感を抱いている。

IoTは気持ち悪い

気が付いたら家の中の家電は全部インターネットにつながっていて当たり前、接続されていることを前提にした仕様になってる、そんな時代がすぐに来るだろう。

しかし、テレビ、冷蔵庫、オーディオ、電子レンジ、温度計、窓、クーラー、そういった家電製品がインターネットにつながっている必要性は本当にあるのか?

基本的にインターネットは信用できない。有象無象のパケットが流れるカオスの世界だ。そんなところにFW越しとはいえ、身の回りのもの全部がつながってほしいとは思わない。

MITM攻撃とは言わないまでも、接続先のサービスプロバイダーに身近な家電製品の情報とデータがログされていると考えただけで気持ち悪い。

サービスプロバイダーというと業者のように聞こえるが、実際にはそこにいる人が閲覧する可能性がある。

家や車の中というのは唯一プライバシーが保たれる場所だ。そこへインターネットからアクセスされる、インターネットへ情報が流れているシステムなんて願い下げだ。

これからのセキュリティ

セキュリティ勉強会でよく話をさせてもらうのは、「家のFW(たいていはブロードバンドルーター)の設定は、今までは『外→内は基本的に全部禁止、内→外は基本的に全部許可』という設定だったが、IoT時代になると『内→外も基本的に全部禁止』としないと気持ち悪い」と述べてる。

つまり、デフォルト設定では内にも外にも抜けられないFWになってるわけだ。

そこから、許可したIPもしくはMACアドレスだけがインターネットへ抜けられる、そんな設定が正しいと思っている。

少なくとも自分はそうする。

よって、FWのI/Fは許可する端末を自動で識別、容易に設定するべきだと思う。

uPnPみたいに外に出ようとする端末を自動で検知し、管理者にたとえばSMSで報告してくる。

「許可」というボタンを押すと、動的自動的にFWにポリシーが生成され、許可された端末だけがインターネットへ抜けられる。

今の自分の生活においても、インターネットへ抜ける必要がある端末は家族のPC、スマホ、ストリーミングデバイス(Amazon Firestick等)、ペット監視カメラぐらいなものだ。

少なくとも今の我が家において、家の鍵やクーラー、冷蔵庫がインターネットと接続してもメリットはなにもない。

ブロードバンドルーターがそんなI/Fを実装するのはずいぶん先になるだろうから、放っておくとデバイスが勝手にインターネットにつながるような時代になれば、ラズパイあたりで自前でFWを作ることになるだろうなと思ってる。

IoTメーカーが考えるべきこと

セキュリティ勉強会やセミナーでこの話をすると、参加者のほとんどが一様に頷くのを登壇側から見ることができる。

みんな「気持ち悪い」と思っているのだ。

いくら仕事とはいえ、会社でもそんな監視はされたくない(メーカーやサービスベンダーは管理と呼んでるが、社員からすればまぎれもなく監視だ)。

しかし、今回のパナソニックのサービスモデルも理解はできる。売り切り型だと収益が追い付かない時代なのだ。

オラクル、アドビ、マイクロソフトといった従来のソフトウェアベンダーは軒並みサブスクリプション型モデルに移行し、成功している。

ハードウェアベンダーもなんとかして、そのモデルに移行したいのだろう。

IoTはハードとソフトが密接に結びついて実現する技術だ。組み込み型デバイスにおいて、省電力な通信SoCを搭載し、プロトコルはIPv6がデフォルトになるだろう。そして、セキュリティの担保はブロックチェーンになるはずだ。

メーカーの思いと技術の必要性は分かる。

しかし、これが市場と消費者に受け入れられるかはまったく別の話だ。

だからこそ、すんなりIoTに移行し、新たな収益源とするためにはほとんどの消費者が感じている「IoTは気持ち悪い」という心情を払拭する必要がある。

「監視なんかされたくない」というのを拭わないといけないのだ。

それができたメーカーとサービサーだけが生き残る時代を迎えようとしている。

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