こういうのを魔法のレンズと言う:LAOWA 15mm F2 Zero-D レビュー

レンズメーカーのLAOWAがソニーEマウント専用に出している超広角レンズLAOWA 15mm F2 Zero-Dを買った。

フルサイズ15mmという超広角ながらZero-Dという自信たっぷりの製品名をつけている本レンズ。Dはディストーションのことで、それがゼロというのは「歪みがないぜ」ということらしい。事前にこのレンズを持っている人から貸してもらって試し撮りをしているうちに欲しくなり、自分も買った。

まぁ、まずは辛口評価の多い価格コムのレビューを見てください。
LAOWA 15mm F2 Zero-D 価格比較

レビューが4件しかないとはいえ、平均点で5点満点がついてるとんでもないレンズだ。

この画角のレンズとなるとソニー純正ではFE16-35mm F2.8 GM、FE16-35mm F4、FE12-24mm F4の3本しかない。価格は順に約22万円、13万円、17万円だ。F2.8までF値が欲しいとなると22万円するGMレンズしかない。

ま、ここまでの広角だとF2とか使わないからF4で十分とは正直思う。しかし、このレンズは15mm F2というスペックながら実勢価格約10万円だ(いずれも価格コムでの値段)。

純正と違うところはオートフォーカスがきかないMF(マニュアルフォーカス)ということだけど、スナップとか風景撮る人はMF使うことも多いと思うので、AFが使えないというのは特に大きなデメリットではないでしょう。

実際入手してから数日、毎日のように撮ってるけど「AFないと困るぜ」という場面は一度もない。こういうレンズは自分でじっくりフォーカスを合わせて撮るのが醍醐味なのだ。

自分は鳥撮りのお供として買ったレンズなのでカメラもサブ機のα7RII(メインはα7RIII)。根本の赤いリングと、レンズの青いリングが対照的でかっこいいし美しい。
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15mmでF2という明るさなのにびっくりするほど小さい。しかもこの手の超広角レンズにありがちな、いわゆる「出目金」レンズではない。だからレンズキャップがついてる(出目金レンズはキャップがつけられないので普通はフードになる)。

以下作例をアップしながらレビューしてみる。カメラはすべてα7RII。MFなのでF値が記載されていないけど、基本はF5.6で撮っていて、広角の風景はF8、夜景はF2からF4ぐらいで撮ってる。

中央部から隅まで驚くほどシャープに写る

のっけから1:1の正方形クロップ、しかもモノクロに仕上げたけど、隅々まで気持ちいいほど解像していて、RAWからの編集が楽しすぎる。
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自分は撮影時JPEG+RAWで撮っていて、チェックにJPEGを使ってる。写真を選び終わった後RAW現像に入るわけだけど、「さぁ、どうやって仕上げていくか」とワクワクする。無編集状態のRAWでもきっちり写っているので、これを自分が意図した作品に仕上げていく楽しさを与えてくれるのだ。このワクワク感を味わせてくれるレンズは久し振りだわ。

東中野駅前で撮った夕日の風景。ノートリ、F8。
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これを画面中央部で等倍までクロップしたのがこれ↓。縦の看板(?)に光る夕日の反射にピントを合わせたのだけど、等倍で見ても恐ろしいほどシャープに解像しているのが分かる。
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ここまで解像すると「標準〜準望遠レンズ、いらないんじゃね?」と正直思う。このレンズで撮っておいて、あとでトリミングすれば超望遠の画角以外全部対応できてしまう。

ただし、Zero-Dとは言いつつ、こういう風景では歪みというかパースが出る。それを「味」と言えるならそのままでも問題ないけど、自分は「気持ち悪い」と感じる人間なので、現像段階で修正してやる必要がある。これがまた、Lightroomならボタン一発で修正できるんだな。それはLRの現像画面の右側にあるツールバーのうち「変形」→「Upright」で「自動」ボタンを押すだけ。これで自然な広角写真にしてくれる。

このレンズのすごいところは太陽を画面に入れてもゴーストがまったく出ないところ。いや、まじで、10万円のレンズでこれはすごくない?
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自分は風景/スナップ用にソニー純正の25万もするFE24-70mm、いわゆる大三元レンズを買ったけど、↑のような構図だと派手にゴーストが出て、初日から「買って損したかも」って後悔してたよ。
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F2の開放でもピントが合ってるところはシャープだし、被写体に寄ると後ろが実に綺麗にボケてくれる。この円ボケは病みつきになる描写だね。
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もう一つ、逆光を入れつつのノートリ写真。
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これを等倍までクロップしてみよう。どうですか?誰もが「逆光で太陽光線をシャープに撮ってみたい」と一度は思うよね。このレンズはそれを簡単に実現してくれる。
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風景とかスナップが面白いのは逆光にある。カメラ雑誌とかでも「逆光こそ面白い。どんどん撮ろう」と特集が組まれることが多いけど、ゴーストやフレアが派手に出るとがっかりするよね。それが高いレンズだとなおさら。
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軽くてコンパクトなので通勤カバンに放り込んでおける。気が向いたら取り出して、さっと撮影する。MFなので「さっと」というのは言い過ぎだけど、フルサイズでこのコンパクトさ、軽さは他の追随を許さない。真に「常用レンズ」と言っていいと思う。どんなにいいレンズ、カメラでも持ち出さないと意味がないからね。
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この時期ならではの楽しみ方:イルミネーションを手持ちで撮れる!

この時期、どこに行ってもイルミネーションが綺麗だ。手ぶれ補正が強烈に効くα7RII/α7RIIIなら手持ちで十分撮れる。
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そして、この手の魔法レンズを持つ意味がもうひとつある。それは「今日はどこに行こう」と考えさせてくれること。このレンズとカメラがあるから、いろんな場所にいって、いろいろ撮ってみたいと思わせる。そういうのを銘玉と言うのです。
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新宿駅で撮ったノートリ夜景。
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これを等倍までトリミングしてみる。もちろんEVF内で拡大表示して「TAKASHIMAYA」の文字にピントを合わせてる。1/30sしかシャッター速度が出ていないのに手ぶれ補正のおかげもあって、恐ろしくシャープに写ってるよね。文字もそうだし、窓ガラスと周辺の枠線も、まったくごまかしのない写りで「お見事」としか言いようがない。
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イルミネーションってMFでピントを合わせるのは慣れてないと難しいところもあるけど、α7RIIやα7RIIIのEVFはよく見えるので拡大表示することでなんなくピントを合わせることができる。
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正直ソニーのEマウントのレンズでなければ買ってなかったもしれない。
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それぐらいソニーのα7シリーズと相性がいいレンズだと思う。
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テレビでもよく写る新宿駅前の甲州街道。もちろんこれも手持ち。等倍で見るとタクシーのナンバーとかバスの内部とかもはっきり見える。
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難点を上げるならさっき書いた「パースがある」ということと、特に開放〜F5.6ぐらいまでは周辺減光が結構あるということ。ただ、今どき周辺減光はLRで簡単に補正できるので自分的にはまったく問題とは思わない。修正のひと手間が必要というだけで。
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あと、難点というほどではないんだけど撮影していて感じたのが「10〜20mから先になるとピントリングの幅が狭い」ということ。15mぐらい先の被写体を限界までピントの追い込みをしたいという時に、ちょっとピントリングを回すと、すぐに無限遠まで行ってしまう。ここの制動距離がもっとあれば、もっとピントを追い込むことが可能で、より楽しいレンズになったのになというのが、ここ数日撮影していて感じた点。

でもまぁ、2-3の手間を除けば、「軽い」「コンパクト」「つけっぱなしで通勤カバンに入る」「MFで撮るのが楽しい」「出てくる写真は驚愕の解像度」「これ1本あれば24〜70mmぐらいのレンズいらんよね」「これで10万円?」と、両手を挙げて褒めちぎりたい、所有欲を満たしてくれるレンズだ。

仕事のある日でも「今日仕事帰りにどこ寄ろうかな」とか、夕日が沈む時間帯に外を歩いているなら「ここで写真を撮りたいな」とか、常に「写真を撮ろう」という気持ちにさせてくれるレンズだわ。これを魔法のレンズと言わずして何と言う。

よく「フォトジェニックな風景」とか言うけど、いいレンズとカメラが手元にあれば、目の前のどんな風景でもフォトジェニックになるんです。なにを撮っても楽しい。

しかも今なら1万円のキャッシュバックキャンペーンをサイトロンジャパンが実施してる。なので実質9万円で買える(2019年2月28日まで)。
2018年12月5日 LAOWAキャッシュバックキャンペーンの実施のお知らせ

自分が今まで買った/使ってきたレンズの中ではペンタックスの銘玉FA31mmに匹敵する、まれに見る銘レンズです。10万円(今なら9万円)で人生をもっと豊かにしてくれるスパイスのようなレンズだ。

実はソニーの大三元で派手にゴーストが出るのを見て「ペンタックスのK1とFA31mm買って、マウント替えしようかな」って先日まで真剣に悩んでた。ところが、このレンズを手にして気持ちが変わった。ソニーのEマウントでいい・・・どころか、このレンズがあるからEマウント以外に行きたくないと思った。

さぁ、年末までイルミネーション撮りまくるぞ!