レンタルオフィスを1週間使ってみた感想

レンタルオフィスを1週間使ってみた感想

先日会社がレンタルオフィスを契約してくれた。サービスは日経が提供するOFFICE PASS(オフィスパス)というサービス。

オフィスパス

会社が法人契約をしているので、どういう料金かは知らないけど、webを見る限り、一人あたり14,000円/月程度の様子。

使ってみた

社員用にアカウントが割り当てられるので、まず日経のオフィスパスにログインする。というか、オフィスパス用のアカウントを登録する。このへんは普通のクラウドサービスと同じなので特に戸惑うこともない。

登録したアカウントでログインすると、会員メニューが表示される。主に使う機能は2つ。どこにレンタルオフィスがあるのかということと、自分専用のQRコードを表示させること。

使ってみて知ったんだけど、日経のオフィスパスというサービスは、全国各地にあるいろんな事業者のレンタルオフィス、貸しスペースと提携したサービスで、ポータル的な存在。

普段は地域の貸しスペースとして提供している場所を訪問して、オフィスパスのQRコードを提示すると、普段の会員用とは違い、Padを出してきてQRコードを読み取り、それで受付が完了する。

貸しスペース事業者としては、自分たちの会員と、連携している日経と2つラインがあるわけだ(多分)。

通常貸しスペースにテンポラリーで入ろうとすると氏名、住所などを書かないといけないけど、オフィスパスのQRコードなら読み取るだけで完了するので簡単。

使い始めて1週間ほどになるけど、3箇所使ってみた。

以下、感想をいろいろ書いてみる。一言で言うと「さいこー!」。劇的に働き方が変わる。

首都圏の人だと通勤の苦痛から解放される

これが大きい。本当に大きい。

自分はオフィスまで電車に乗っている時間がちょうど1時間、ドアツーだと80分ぐらいかかる。

東京で働き初めて15年ぐらいになるので慣れたと言えば慣れたし、通勤で80分ぐらいは「普通」と言われるけど、だからといって我慢する理由はどこにもない。

レンタルオフィス生活になってからは、自分の住んでいる地域から駅で言うと2-3駅先にある貸しスペースに通ってる。もうね、死ぬほど楽。通勤時間がドアツーで20分ほど。

この生活に入ってから、1時間以上かけて通う通勤がいかに苦痛で、無駄な時間だったかを思い知らされる。

通勤時間が劇的に短縮されたので、朝もゆっくりでいい。フリーなワークスタイルとはいえ、一応会社員なので、フレックスのコアタイムである10時にはTeamsでログインしておき、他の人と連絡が取れるようにしている。

10時までに出社しようとすると今までは家を8時半には出る必要があったけど、今は9時半でも余裕で間に合う。

自分は朝6時ぐらいに起きるので、家で3時間以上自由時間ができたことになる。3時間もあればいろんなことができる。

そして、気持ち上の大きな変化は「仕事に行こうか」という気にさせられること。

男でも朝はいろいろすることがあるよね。

自分の場合冬でも朝にシャワーを浴びるので、それを済ませ、朝食を取り、ひげを剃り、着替えをし、寝具をたたみ、部屋をちょっと片付けてロボット掃除機をスタートさせ、家を出る。ゴミ出しがあれば、それも済ませる。

支度を終えても、「あの激混みの電車で1時間かぁ」と思っただけで部屋から出るのが億劫になる。いや、ま、行かないといけないんだけどね。

それが「20分後にはセミプライベートなスペースで仕事できる」となった今は、「さ、行こ行こ」という気持ちになってる。

こんなの四半世紀近くサラリーマンをやっていて初めてのことだったよ。

快適な空間

これは場所による。この1週間で3箇所使ったけど、2つは快適、1つは「もう来ないかな」という比率だった。

ダメだった1つは個人で経営しているようなスペースで、セミプライベートなスペースがないことと、インターネットへの速度が悪いことだった。

プライベートスペースがないのは我慢できるとしても、5分に1回ネットが切断されたり、普通のwebページでさえ表示が滞るような環境では仕事なんてできない。

けど、あとの2つはとても快適で、通常のネットなら全然問題がないWiFiが提供され、今常用しているレンタルオフィスはセミプライベートスペースもあり(開放的なスペースもある)、ドリンクはフリー。紅茶、コーヒー、お茶ぐらいなものだけど、あるとないとでは全然違う。

朝からレンタルオフィスを使い、日中アポがある場合はそれが終わってから家に帰るまで使っている常用オフィスは奥にセパレートされたセミプライベート空間があり、この場所に入ると「会話、電話は禁止、食事も禁止」となっている。

軽食を取りたければ手前の開放スペースに出て食べてねというルールになってる。

自分はいつも奥のスペースで仕事してる。もちろん電源もあるので、Surface Goを充電しながら、iPhoneも充電しながら、Google Play Musicで音楽を聞きながら仕事してる。

たまにLINEや電話で仕事の話がかかってくるけど、その時は手前の開放スペースに出れば大丈夫。

静かだし、窓からは風景が見えるし(今の会社のオフィスは窓が少ない、ブラインドがかかっていて景色が見えない、ブラインドを開けても隣のビルしか見えない)、なんて素敵な空間なんだとリア充まっしぐら。

仕事の効率が激変する

ま、分かってたけどね。ガヤガヤしてるオフィスで8時間仕事をするのと、ほぼ完全なプライベートスペースで仕事をするのでは、自分的な比率でも1.5~2倍ぐらい仕事が効率化してる。

外資でよく見かけるセパレート机が、常用しているオフィスでは用意されているので、1人用の狭いスペースで黙々と仕事するわけだ。

最近とあるブログで「ランニングやジムでトレーニングする時はフードを被った方が効果が上がる」という報告があったけど、あれは仕事でも同じことが言えると思う。

開放的なスペースで仕事をするより、比較的狭いスペースで仕事をした方が集中できて、効率があがるように思う。

レンタルオフィスでは時々プログラマーや、Macで曲を編集している人を見かけるけど、気持ちはすごく分かる。あぁいう仕事こそ、貸しスペースはとても向いていると思う。

メールと携帯とチャットシステムがあれば仕事できてしまう時代

オフィスにいない問題点があるとすれば、リアルタイムに他の社員と会話できないことだろう。

しかし、今はSlackやTeamsといった洗練されたチャットシステムがある。うちの会社はMSのTeamsを使っている。

レンタルオフィスに着いて、ラップトップを起動し、ネットにつながったらTeamsをonにしておくだけで、仕事の話はそちらに入ってくるので、特にFace-to-Faceでないと困るということはない。

急ぎの話だと携帯に電話なり、SMSを送ればいいことだし。

オフィスパスの利点

都内だとレンタルオフィスはたくさんある。個人で契約しようかと思っていたぐらいだから。今常用しているところは、一般会員だと1時間500円、月額で5,000円と書いてあった。この金額なら個人で契約してたな。

住む場所、働く場所(レンタルオフィスの場所)が固定されているなら、月5,000円は安い。

しかし、サラリーマン、特に営業職だとあちこち訪問する用事がある。例えば「朝10時に新宿でアポ、15時から銀座でアポ」という場合、11時から14時までの間「どうする」という問題がつきまとう。

会社に戻るのも面倒。戻っても集中して仕事ができる環境ではないし。

かといって、5時間も時間があると、時間を潰す場所を探すのが面倒。喫茶店だと1時間以上は迷惑だし、お金もかかるし。

そこでレンタルオフィス。銀座の提携場所を検索し、そこをふらっと訪問して、アポ直前までレンタルオフィスで仕事すればいい。

こういう「隙間時間をどこで過ごすか」という問題から解放されることも大きなメリットだった。

経営視点から考えてみる

まだ1週間しか使っていないけど、自分的には既に「会社に自分専用のスペース、机はいりません」と思ってる。いわゆるフリーアドレスで十分。

今は管理職だけ試験的に運用を始めたうちの会社だけど、全社員に展開し、時期的に落ち着いてきたら半分ぐらいは集約できるんじゃないかと思ってる。

つまり、たとえば100人従業員がいる会社だとすると、座席は50ぐらいでいいんじゃないかと。固定座席が必要な職以外は全部フリアドでよくて、半分ぐらいの社員は直行直帰で家の近くのレンタルオフィスに行けという運用でいけるんじゃないかと思ってる。

レンタルオフィスの費用はかかるけど、トータルで見たら固定費はかなり減るんじゃないかな。固定電話ももういらないし。

それと、「それなら在宅でいいんじゃね?」という考えもある。担保すべきセキュリティや時間をどう管理するかは在宅勤務でもノマドでも同じ。

しかし、社員目線から考えると、レンタルオフィスの方が断然いい(男の場合)。確かに通勤時間がまったく不要になる在宅は一見便利なんだけど、やっぱりずっと集中をするのは難しい。なにかと誘惑されるものが周りにあるし、結婚していると奥さんや子供がいて、必ずしもずっと集中できるわけではないだろう。

それがレンタルオフィスだと仕事に最低限必要なモノしか持ち歩かないので、仕事をするしかない。仕事するなら集中してやろうというモードになり、気がついたら5時間も6時間も黙々と仕事してる。

これは家でも会社でもできなかったこと。効率は間違いなく向上してる。

なので、ベストなのはレンタルオフィスも在宅もOKという制度を会社が認めてくれること。妊娠中や子供が小さくて手がかかるけど、空いている時間は少しでも仕事をしたいという女性も多いでしょう。そのためにも在宅制度も充実して欲しいと思う。

デメリット

いいことばかりではなく、デメリットというか気をつけないといけない点もいくつかある。

セキュリティには気をつける

会社にいる限りは(ちゃんとした会社なら)物理もサイバーもセキュリティは担保してくれている。

しかし、ノマド的なワークスタイルのレンタルオフィス生活はデバイスからネットワーク、会話まですべてオープンスペースの場所で利用することになるので、セキュリティは特に気をつけないといけない。

離席する時も会社なら物理的に保護された空間なので特に気をつける必要もないけど、レンタルオフィスだと最低でもスマホとラップトップは持って外出する必要がある。自分は昼食で出掛ける時、場所確保のためカバンは置いておくけど、ラップトップ、スマホ、仕事用メモは携帯している。

持ち歩くものが増える

最低限の仕事をできる環境が必要になるので、会社に置いておけばいいやなものも持ち歩く必要がある。

自分の場合会社に通勤していた時と比較して増えたものは
・Surface Go用USB-C電源アダプター
・スマホ用充電アダプター
・BTマウス
・有線ヘッドフォン

コンパクト・軽量なものを選んでいるので負担にはなっていないけど、会社通いと比較するとモノが増えることは確か。

セカンドモニターが使えない

IT系の仕事だと多いスタイルだと思うけど、外出/通勤はラップトップを持ち歩き、会社に着いたら外部モニターに接続して2画面の広い環境で仕事をするということが、レンタルオフィスだとできなくなる。

時代が変わって、各席にモニターも設置されるといいなと思うけど、今はラップトップの狭い画面で仕事するしかない。

でもまぁ、今のところ特に不便は感じていない。

意外なメリット

ランチの楽しみ

このワークスタイルにしてから意外だった楽しみが昼食。いろんな場所に行くので、昼食時「せっかくだから、このあたりのどこかの店に入ろう」と探索する。

何年も固定された場所のオフィスで働いていると、近くのレストランを周回することになり、たいてい飽きてくるけど、ノマド的な働き方だと「このへんを探してみよう」と、ちょっとした楽しみになる。

自分は食事にそれほどこだわりがないので、会社通いの時は近くのコンビニで弁当とかおにぎりを買って昼食を済ませることが多いけど、レンタルオフィス通いをするようになってからは「せっかくだから、このあたりのレストランで食事しよう」となった。

ちなみに昨日は駅近くにあった寿司屋で1人用ランチ980円の握りセットを食べた。普通においしかったよ。

憧れのチャリ通

自分的には憧れに近かった「チャリ通」ができる。チャリンコでレンタルオフィスに行けばいいわけだ。

とはいいつつ、この1週間、日中に必ず1件はアポがあったのでできていないんだけど、なにもアポがなければ、チャリンコでレンタルオフィスまで行けるわけだ。あぁ、早くアポがない日が来ないかな。

住む場所にとらわれなくなる

実は今まで通勤で90分近くかかっていたので、先日妻に「23区内に引っ越さない?」という話をしていたばかりだった。

しかし、都心から離れた場所でもレンタルオフィスが提供されているオフィスパスだと、今みたいに通勤で20分、可能ならチャリ通もできる環境を会社が認めてくれるなら、住む場所は今のままでいい。

都心に住んでいる人もおそらくは「通勤許容範囲内」という理由だけで我慢している人も結構いるはず。家賃や駐車場代は高いし、休日でも車の往来は多くて危険だし、人が多くてうるさいし、遊びに行くには1時間以上かかるしと。

それが、「普段はレンタルオフィスでいいよ」と会社が認めてくれるなら、オフィスがある場所から近くて、自分が住みたいと思う場所を探せばよく、必ずしも都心でなくてもいい。

現に自分は東京の田舎に住んでいるけど、週末は「この場所で良かったなぁ」と思える土地。でも平日は通勤地獄だったわけだ。車なら新宿に行くより山梨に行く方が近いような場所だけど、週末出掛けるなら断然こちらの方が便利。

そういう意味で、ワークライフというよりは人生そのもののスタイルがフレキシブルになるスタイルだと思う。

まとめ

全社展開はなかなかすぐには難しいかもしれない。在宅勤務と同じく、セキュリティをどう担保するのか、なにかあった時の保障はどうするのか、勤務時間の管理、特に残業はどう把握するのかという課題が出てくる。

しかし、総じて言えば「劇的にワークライフを変えてくれる、そして劇的に仕事の効率化が図れる」、今の時点ではこれ以上望めないほど最高の仕事環境ということが分かった。

あまり広がるとレンタルオフィスも混んでくると思うので、正直それほど認知されなければいいなと思っていたりするほど快適です。

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