【レビュー】安くて速い!「FonePaw データ復元」を試す

* 本記事はFonePaw(フォンパウ)社より依頼を受けたレビュー記事です。
* 記事を書くにあたって「実際に使った感想、いいところ悪いところは率直にすべて書きます」ということで了承を得ています。
* 記事を公開するにあたって事前にFonePaw社に原稿チェックをしていただいています。商品の情報や使い方に間違いがないか確認していただくためです。

「FonePaw データ復元」とは

削除してしまったファイルを検索、復元するソフトです。Windows版とMac版があります。

公式サイトにも紹介記事/関連記事があるので気になる方は一度参照してみてください。
Macでゴミ箱のデータを復元するやり方

そもそもデータ復元ソフトとは

この手のソフトの歴史は古く、Windows95の時代には存在していました。

どのOSでもファイルをゴミ箱に移動して、ゴミ箱のファイルを削除しただけでは本当にファイルをハードディスクから削除するわけではありません。あくまでOS上で「削除したように見せる」だけで、ファイルそのものはまだ残っています。

Windowsだとファイルエクスプローラー、MacだとFinder上では見えなくなっているだけなのでこういった復元ソフトを使うと取り出すことが可能です。

これはハードディスクをフォーマットした時も同じで、通常のフォーマットであればOSからはファイルが見えなくなっているだけで実際には残っていることが多い。そのためフォーマットしたディスクも復元ソフトで取り出せることが多い。

ではどういう時に取り出せないかと言うと大きくは2つあって
・「見えなくなっているファイル領域」に上書きした場合
・完全フォーマットをした場合(ゼロデータ消去などと呼ばれる)

1つめについて、これはOSの仕組み上削除したファイルは見えなくしているだけで一定期間残っているんだけど、そのファイルが存在しているディスクのセクターに新しくファイルが書き込まれた場合以前のファイルの情報は本当に消えます。

そのため、誤って削除してしまったファイルを取り出したい場合早ければ早いほどよく、時間が経てば経つほどファイルが存在した場所に新しくファイルが書き込まれて取り出せなくなるリスクが増えます。

2つめはWindowsでもMacでもフォーマット時のオプションで実行できるモードで、通常の「単にOSからは見えなくしているだけ」というモード(Windowesではデフォルトのクイックフォーマット)ではなく、ディスクにランダムな数字やゼロデータ(nullデータ)を書き込む、それも複数回実行することで完全にファイル情報を消し去り、復元ソフトでは復元できなくするようにします。

パソコンを廃棄する時は完全フォーマットをするべきですが、最近の大容量HDDやSSDだとフォーマットに膨大な時間がかかるため(数時間〜数十時間)、通常はしないでしょう。ですので通常の(=デフォルトの)フォーマットをしたディスクでは復元ソフトで取り出せる可能性が高いです。

FonePaw データ復元の特徴

後ほど実際に使った感想、レビューなどを詳述しますが、最初にまとめておくと以下のようになります。
・安い
・速い
・Mac/Windows双方に対応している
・ExFATには未対応

以上4点について簡潔にコメントしていきます。

安い

誤ってファイルを削除した、なんとか復元したいという時この手のソフトをインターネットで探すと思います。そして思い知る価格。

言葉悪いけど「足元見やがって・・・」と思うほど高いソフトが多い。安くても1万円近く、高いものでは数万円するものもあります。

また、ソフトでは復元できないデータも復元サービスに依頼すればプロの手による作業で復元できる場合もあります。しかしめまいがするぐらい高いです。なので個人で依頼することはほぼないでしょう。数十万払っても復旧したいという企業ニーズ向けです。

FonePaw データ復元はまず無料で試すことができます。無料版でもフルスキャンは可能なので、一度無料版でスキャンして該当のファイルが見つかるかどうか試し、見つかるようであれば購入するという手順でいいと思います。

その購入ですが、Mac版もWin版も値段は同じで価格は1ライセンスあたり3,980円です(リンク先はMac版の価格)。

今まで個人的に購入してきたこともある復元ソフトですが、3,980円という値段を見て「いやー安いなぁ」と思いました。10年以上前は2万円ぐらい身銭切って買ってましたからね。

速い

あとのレビュー記事でも触れますが、一回目の「クイックスキャン」はめちゃくちゃ速いです。これである程度「アタリ」がつけられるので、クイックスキャンの爆速は非常に助かります。

ただ、フォーマットしたHDDなどではクイックスキャンでファイルが見つかることはほぼないので、その後のフルスキャンモードに入ります。こちらはどのソフトでも同じですがべらぼうに時間かかります。ざっくり「一晩はかかる」と覚悟した方がいいでしょう。

Mac/Windowsに対応している

これも今となっては当たり前な時代でしたが、昔はWin版のみというソフトが多かったのですよ。最近のMacの複雑なファイルシステム(APFS(暗号化))にも対応しています。ただしライセンスは別々なので両方のソフトが欲しい場合は個別に買う必要があります(値段はどちらも同じです)。

ExFATには未対応

このソフトの唯一といってもいい欠点がこれ。MacのAPFSや以前のジャーナリングシステムおよびWinのFAT、NTFSには対応しているけど、なぜかExFATには対応していない。

今時外付けHDDやSSD、SDカードなどはほぼすべてExFATでフォーマットされているでしょう。WindowsもフォーマットのデフォルトはExFATだし、Macユーザーも外付けHDD/SSDやUSBメモリを使う時は、Windowsとのファイルのやり取りを考えてExFATでフォーマットしている人も多いはず。

通常のFAT32は4GBを超えるファイルを扱えないので、デジカメで使うSDカードも普通はExFATでフォーマットされています。テレビ録画で使うHDDもExFATです。店頭から購入した段階でExFATにフォーマットされています。

そのためExFATに対応していないということは今日本で使われている外付けディスク(HDDからSSD、USBメモリ、SDカード等々)はほぼこのソフトでは復元できないことになります。

これは早急に対応して欲しいですね。同業他社のソフトは価格は安いものでも倍ぐらいしますが、すべてExFATに対応しています(ExFAT未対応のソフトは見つからなかったぐらい)。利用用途が大幅に制限されるのでExFATに対応するアップデートを切望します。

あと、当たり前だと思っているのであえて項目には上げませんでしたが、すべてのファイルタイプに対応しています。画像だけとか音楽だけといった制限はなく、OSが扱っているファイルタイプはなんでも復元できます。

実際に試す

ここから実施に使ったレビューを書いていきます。FonePaw社からMac版のライセンスを1ついただいたので、MacBookProにインストールして使ってみました。

環境

MacBook Pro(13-inch,2019,Four Thunderbolt 3 ports)
 2.8GHz クアッドコアIntel Core i7/16GBメモリ/512GB SSD/Catalina 10.15.1

ダウンロードおよびインストール

無料版も有料版も同じページからダウンロードできます。以下のリンクをクリックするとソフトのダウンロードが始まります。
Mac版ダウンロードリンク
Win版ダウンロードリンク

無料版と有料版でソフトに違いがあるわけではなく、どちらの場合でもまずは無料版をダウンロードしてインストールし、動作確認後ソフトウェア上で購入したライセンスキーを入力するという手順になります。

起動する

起動するとMac版もWin版も毎回確認を求めてきます。これはシステムの奥深くまで触るソフトなので必要な手順のためMacユーザーは毎回パスワードを入れましょう(Win版は「はい」を押すだけ)。

無料版を使っている間は「購入してね」画面が毎回出ます。「後で購入」ボタンを押すと無料で使えます。購入した場合はFonePaw社からメールで届く登録コードを入力しましょう。

起動直後の画面です。

スキャンする

「Macデータ復元」の「開始」ボタンを押すと、今Mac上で見えるディスクの一覧が表示されます。スキャンするファイルタイプを指定できるので、探しているファイルが決まっている場合は時間短縮のためにタイプを絞ればいいと思いますが、今回はすべてにチェックをいれた状態でスキャンします。

ダメ元でExFAT形式のSDカードで一応試しましたが、やっぱりダメでした。95%でスキャンが止まり、ファイルはなにも表示されません。僕の場合デジカメで使うSDカードで誤って削除した画像ファイルを取り出せると大変助かるので、正直「一刻も早くExFATに対応して欲しい」と思っています。

さて、本来の使い方である対応フォーマットのディスクスキャンをしてみましょう。まずはMacのローカルストレージをスキャンします。

ソフト上では「MacintoshHD」と「MacintoshHD – Data」という2つのボリュームがマウントされているように表示されるのですが、どちらもディスク容量と使用済み容量は同じです。

最初に表示されている「MacintoshHD」は起動ディスクを表しているようで、SIP(System Integrity Protection)を無効化しなさいというメッセージが表示されます。

あぁ、あの面倒くさいやつね・・・

とりあえずそちらは後回しにして、データ領域の方を選択してスキャンしてみます。

すると前述したようにクイックスキャンは爆速でものの1分ぐらいで完了・・・と思いきや95%でスキャンが止まる。ファイルは見えてるんだけど。

上のスクリーンショットは念の為10分ぐらい放置してみたけど、1分後から状況は変わりませんでした。何回やっても95%で止まり(見つかったファイル数はその度に多少増減はしたけど)、確認のためiMac 27インチ(Catalina)に無料版をインストールしてスキャンしたけど、やはり内蔵ディスクは95%でスキャンが止まります。

これについてはFonePaw社にログを送り、解析してもらっていますが、個人的な感想としてはCatalinaとの相性かもなぁと思っています。とにかくCatalinaでは動作不安定なソフトが多く、早々にアップデートしてしまったことをマジで後悔しています。

Catalinaでも動作完了するようにアップデートを待つとして、このソフトはスキャン中でも止めてファイルを取り出すことができるので、目当てのファイルが見つかった時点で「一時停止」もしくは「停止」ボタンを押して、ファイルを取り出せばいいと思います。

次に外付けHDDで試してみました。

毎日フェレットの動画を撮っていますが、その生動画ファイルを全部保存している8TBのHDDです。Macでしか使わないのでフォーマットは「Mac OS拡張(ジャーナリング)」にしています。

こちらもものの数分でクイックスキャンは完了。はえぇ。

このソフトは「削除済みファイル」のみを探し出すのではなく、ディスクにある(OSからは見えていても、見えていなくても)ファイルすべてを検出するようで、現役(?)のディスクだと膨大なファイルが見つかります。

試しに「こんなファイル置いてなかったよな」というPDFを復元してみました。「リカバリー」ボタンを押し、保存先を指定すると、

復元されます。

ちゃんと開きました。

SIPを無効化してスキャンもしてみたが・・・

起動ディスクだと内蔵ディスクもスキャンコンプリートできるかもと一縷の望みを抱いてSIPを無効化しました。

方法は簡単で、さっきのスクリーンショットで説明されている通りにするだけです。Command+Rを押しながら再起動して、ターミナルでコマンドを1つ打つだけですが、さっきの説明は見られないので再起動前にスマホで写真とか撮っておくといいでしょう。

SIPを無効化して起動し、改めてソフトを起動すると今度は最初のディスクもスキャンできます。

しかし状況は変わらず、やはり95%で止まります。これはもうCatalinaとの相性ですね。アップデート待っています。

Windows版も試した

FonePaw社と上記のようにMacのローカルストレージのスキャンがうまくいかない点についてメールでやり取りをしていたのですが、「でしたらWin版で試してみますか?」とオファーをもらったので、Win版を試しました。

でもまぁ、やることは同じです。ソフトをインストールし、ライセンスを入力し、スキャンするだけです。

くどいですが、念の為Win版でもExFATなSDカードをスキャンしましたが95%で止まり、結果は空欄のままでした。残念。

Win版は手持ちのSurface Goで使いました。ローカルSSDはNTFSでフォーマットされており、順調にスキャンが進みます。

1分ほどでスキャン完了しました。ファイル容量が多くはないとはいえ、クイックスキャンは速いですね。

スキャン結果画面右側のプレビューでアイコンが見えるものは復元できるのですが、

アイコンが見えないものを復元しようとしても

破損しているのか、復元できません。

アイコンが見えているものは

普通に復元できます。

ディスクをフォーマットして試してみた

内蔵ディスクだとあるのはファイルが存在するの分かっているからあまり面白くなく、SDカードをフォーマットして試してみました。

デジカメで使っている64GBのSDカード。カメラ内フォーマットでExFATになっています。

くどいですが95%で止まります。

そこで、Windows上のフォーマットメニューでファイル形式をNTFSにしてフォーマットし、ここにPDF、JPEG、MP4ファイルを1つずつ保存した後、もう一度NTFSでフォーマットし、Windows上からはなにもファイルが見えないようにします。

その状態からスキャン開始すると、爆速のクイックスキャンではなにも見つからず、自動的にディープスキャンに突入します。これが長い。

1回目は7時間ほど経ったところでWindowsがフリーズしていました。

2回目はWindowsの省電力項目をすべて切り、電源につながっている限りは休ませないモードにしてスキャンすると5時間45分で今度はソフトが止まった。

ただ、これは後で分かったことだけどUSB-CとSDカードのアダプターの接触が悪かったようで、泣きの3回目スキャンをしている時もちょっとアダプターを触るだけでWindowsが「ディスクが見つかりました」とか通知バーに出ていました。

作業にかかる時間が半端ないので「もうヤだ。やめる」と泣きそうになりながら、とりあえずもう一度だけと3回目の挑戦。SDカードのスキャンだけですでに3日目です。

ぶっちゃけ、最初の10-20分ぐらいで削除したファイルは見えていたので、ここで止めて取り出してもいい。

「一時停止」ボタンを押し、

目的のファイルを「リカバリー」で復旧すると、ちゃんと復元できます。

PDFもちゃんと見えていました。

ただ、3つめの動画ファイルは見つかっていなかったので、スキャンを継続しました。今度こそは最後まで完了してくれぃ。

3度目にしてようやくディープスキャンも完了しました。実測で8時間ぐらいかかりました。

しかし動画ファイルは見つかりませんでした。

SDカードに3つのファイルを書き込んでWindowsで再フォーマットした後はなにもファイルを書き込んでいないのですが、なぜか動画ファイルは見つからず。これもリムーバブルディスクやSDカードと大容量ファイル(動画なので1GBを超えている)の相性みたいなものがあるのかもしれない。

まとめ

冒頭にも書いたけど、「安くて速い」は素直に評価できます。スキャン中でも止めて目当てのファイルを取り出すことができるので、ディープスキャンを最後まで待つ必要はありません。

ただ、何度も何度も書いて恐縮だけど、今の日本ではかなりの割合でストレージはExFATなため、これに対応していないということはあまりにも利用用途が限定されます。

ExFATに対応してこの値段なら両手を挙げて喜べるソフトになるので、早いアップデートを待っています。

あとCatalina対応してくれるともっと嬉しいです。

ExFATに対応していない現状、NTFSやMacのファイルシステムを対象にするのであればコスパ最高の本ソフトを、ExFAT対応が必要であれば価格は倍ぐらいするけど他の製品をという選択になります。