このiPadを待っていた
2018年春に発売されたApple Pencil対応廉価版iPad。自分はこれを待ってた。
仕事でもプライベートでもApple Pencilの手書きで使い倒したいけど、iPad Proみたいな高いものは買えない。そこへ突如登場したのがこの廉価版モデル。
プロのカメラマンでもないので、上位版のような高精細ディスプレイとか、高性能CPUはいらない。9.7インチRetinaディスプレイのこのiPadで普段使いなら十分過ぎる。
自分が買ったのはCellularモデルの32GB版。Apple Pencilと一緒に買ったので7万近くしたけど、許容範囲。
CellularモデルはWiFiモデルに比べて15,000円も高いけど、SIMを入れることで「どこでもインターネットにつながる」というのは値段以上のメリットがある。
裏を返せば「テザリングや家のWiFiにつながないとインターネットにつながらない」というストレスは、自分にとって15,000円以上に大きい。
Apple Pencilを使うのは初めてだったけど、予想通り生活スタイルが一変した。もう「なんでもかんでもiPadに寄せてしまえ」となった。
この廉価版を含め、iPad自体の魅力とかメリットは本記事の趣旨ではないので省略する。ここでは最大のポイントであるApple Pencilでどのように生活が変わったかということを紹介する。というか、99%「One Noteのおかげ」という内容。
Apple Pencilを持ち歩くならこのタイプのケースがおすすめ
Apple Pencilは摩擦のない材質で丸型のため、とにかくよく転がる。ちょっと触っただけでコロコロと転がって机から落ちる。そこでたどり着いたのがこのホルダー。
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iPadケース前提のホルダーになるけど、「iPadと一緒に持ち歩き」、「いつでもさっとApple Pencilを取り出せる」というのは想像以上に快適。
とにもかくにもOne Noteを使い倒す
マイクロソフトが無料で提供しているiPad版One Note(MSアカウントは必要)。
とにかく手書きに対応したこのアプリが超絶便利で、今までAppleのメモ帳とかEvernoteを使っていたけど、完全にOne Noteに移行した。神アプリというのはこういうのを言うんじゃなかろうか。
まずなにがいいって、マイクロソフトにしてはGUIがおそろしく分かりやすい。画面左から履歴/アカウント→セクション→ページとなっていて、一番左のメニューはともかく、「セクション」と「ページ」を自分なりに整理することで非常に見やすくて使いやすい手帳になる。
上部にはMS Officeのような、ごちゃごちゃして結局探している機能が見つからないというカオスなものではなく、必要最低限なものがすっきりまとめられてる。見直したよ、マイクロソフト。
落書き帳的なクイックノート
デフォルトで用意されている「クイックノート」は「とりあえずメモ」用に使ってる。
ちなみにどのページでも「用紙のスタイル」でスタイルを変更できるけど、オススメは真ん中の「方眼紙」。手書きで図形を書くことも多々あるけど、方眼紙だと目盛りがとりやすい。
手書き用「インク」は左から2番目の太さを常用してる。
例えば訪問先で簡易議事メモ的な取り方をする時に使うのが、このクイックノート。打ち合わせをする時「とりあえずメモったけど、あとになって見返すことはなかったな」とか「別に大事なことはなかったな」ということって結構ある。
そういう時、メモった内容のうち重要なものだけ別のページに用意しているデイリーページに転記しておき、あとは「なげなわ選択」でメモ全部を囲って、
ぎゅっと縮小して、
消しゴムでささっと消せば「なかったこと」になる。ちなみに自分は社内ミーティングで簡易ホワイトボード的にもこのクイックノートを使ってる。
純正テンプレートを使おう
One Noteが優れていると思う点に、マイクロソフトが公式サイトでテンプレートを公開していること。
たくさんのテンプレートが無料で公開されてる。それぞれの使い方例が紹介され、インストール方法も記載されているので自分の気に入ったものがあれば、どんどん試してみるといい。
ただ、注意点はテンプレートのインポートはWindows版のOne Noteからしかできないということ。Mac版やiPad版ではインポートできない。iPad版はともかく、Mac版ぐらいはインポート機能に対応してくれよ。
スケジュール帳
自分が使っているのはまずこちらの週間バーティカル表。1週間のスケジュールを俯瞰的に管理できるのがバーティカルの利点だけど、自分はスケジュールというよりも、その日の実績を記録として残してる。
仕事で多用しているのがDailyノート。1日のタイムラインが左側に刻印されていて、右側には広大なフリースペースがある。
朝会社に着いたら、まずはこのDailyノートに1日の大まかな予定をタイムラインに書き、上部にToDoを書く。あとのフリースペースは仕事のメモをどんどん書いていく。
うちにはオカメインコが1羽いて、その日の様子を写真に撮ってOne Noteに貼り付けてる。
成長日記みたいなもので、小さいお子さんがいるなら子供の簡易成長日記としても使えるのではないかな。
プロジェクトセクション
タスク単位、プロジェクト単位でまとめてあるのがこのセクション。
例えば自分は講義でWindowsのクラッキングデモをすることが多いのだけど、手順を忘れないように/間違えないようにするために、ここにメモってある。さすがに手書きだと講義中は見にくいので、タイピングで入れてあるけど。
こんな使い方もしているのが、近い内に三宅島に旅行に行くんだけど、船の時間やレンタカー/ホテルの情報、現地で支払う金額、持ち物リストなんかをメモってる。
One NoteはもちろんiPhoneからも参照できるので、「ホテルに電話で連絡しておこう」という時もスマホでこのページを見ればすぐに分かる。
仕事だと出張時のメモとして使えると思う。宿泊先、訪問先、新幹線の時間等を予めメモっておけば、スマホからさくっと確認できる。
読書メモも快適
読書する時に「ちょっとメモっておきたい」というのはよくある。その時モレスキンみたいなノートだと「紙のノートを取り出して」「ペンを取り出して」「空白ページを開いて」「さて記述」と、結構手順が多い。
読書メモを取ってる人の多くが多分感じてると思うけど、紙のメモだと「都度メモ」というのは面倒で、結局やらなくなる。
かといって読後にまとめてメモというのも書く量が多くて結局は長続きしない。
紙の本を読んでいるなら手元にiPadを置いておき(One Noteは開いておき)、気になったページがあれば「指紋認証でiPadを起動(その時点で既にOne Noteが開いてる)」→「Apple Pencilですぐにメモ」と簡単にメモを取ることができる。
そしてこれぞiPadならではという読書メモがSplit View機能を使うというもの。
左側にKindleやPDFリーダーで電子書籍を読みつつ、Split Viewで右側にOne Noteの読書メモページを開いておく。すると、気になったページ、項目が出たら、まさに「即!」One Noteにメモっておける。
紙の手帳に読書メモを書いたことがある人は一度は経験したことがあると思うけど、専用の読書ノートでない限り(普通に仕事やプライベートで使う手帳だと)、1冊の読書メモを1-2ページにまとめることが結構難しい。
というのも、本を読む速度が速い人は1時間ぐらいで1冊読了して、その間にささっと手帳にメモれるかもしれないけど、隙間時間にちょちょっと本を読む程度だと読了までに1週間とか1ヶ月かかることも多い。
その間にもちろん仕事やプライベートの生活メモも必要なわけで、「この本の読書メモ」と独立したページを作るのは難しい。
かといって、読む度に新しいページに読書メモを残していると、1冊分のメモが分散することになり、あとから参照する時視認性が悪い。
One Noteに限らないけど、Appleの「メモ」やEvernoteの利点はフォルダ単位でまとめておけるので、1週間ぶりに読む本でも「あの読書メモを読み出して」と準備ができ、読み終えたら、その本専用の読書メモが出来上がってるというところ。
これはシステム手帳でもない限り、紙の手帳ではなかなか難しい技で、デジタル手帳ならではのメリット。
もちろんマインドマップもOne Noteで
自分は仕事でもプライベートでも結構マインドマップを書く。描くのではなく、書く。
本来のマインドマップは多色で枝を塗っていく美術的なものだけど、アイデアをまとめられれば十分なので項目をメモって関連付けていくだけで十分。
これは今年3月に資産管理をまとめたマインドマップ。
自分はなるべく早く老後に必要なお金を作ってリタイアしたいと思っていて、定期的に現状とこれからの資産形成方法を見直してる。
このマインドマップは、「資産形成」というタイトルで始め、左側に現在の資産状況、右側にこれから目標額に向かってどうやって作っていくかをまとめている。
基本的に資産形成は複利運用を長期で続けるものなので、こういったまとめを半年から1年に1回程度しておけば十分。
これからまとめようという時に半年〜1年前のメモを見直すことで、現時点とどれだけずれているか、もしくは予定通りにできているか確認ができる。
One Noteのページは1ページあたりの広さが大きいので、普通にマインドマップを書く分には十分なスペースがある。思いつくままに手書きで書いていくことで頭が整理されていくので、Apple Pencilでマインドマップを書けるOne Noteの利点は大きい。
PDFの修正もお手のもの
仕事でPDF書類のレビューをすることも多いものだけど、それもiPad + Apple Pencilなら簡単にできる。
これまではPDFなりWordを印刷してもらって、ボールペンで修正箇所を書き込んでいたものだけど、今や「SlackでPDFを送っておいて」とお願いしておき、iPadのSlackで開いてGood Notesのような手書き対応PDFビューワに渡すだけ。
修正が終わったら保存して、それをiPadのSlackで送り返すと終了。簡単。
また自炊したPDF書籍も気軽にメモを書き込んでいける。
例えば自分は(一応)エンジニアなので、プログラミングやサーバ設定など技術の本を買ってきて、スキャンしてPDFにし、それをiPadなりMacで読むことが多い。
その時「この設定だと動かない。ここのconfigが最新バージョンと合ってない」とかメモを残しておける。
これが紙の書類だと、後々見返す時や人に渡す時のことを考えるとボールペンでメモを書き込むのは躊躇することも多い。PDFだとマスターを別に保存しておけば、いくらでも書き込めるので利便性が上がる。
激変したと言ってもいいiPad + Apple Pencil + One Note
正直買うまでは「価格相応に使い倒すかなぁ」と思っていた廉価版iPadだけど、いざ使い出すと本当に「一切紙を使わなくなった」ほど環境が一変した。
サインすることもあるのでボールペンだけは持ち歩いているけど、紙の手帳はまったく持ち歩かなくなった。
今までモレスキンやほぼ日手帳などさまざまな紙の手帳やスケジュール帳を使ってきたけど、それが一切不要になった。不要になっただけではなく、利便性がかなり上がった。
iPadはバッテリーの持ちもかなりいいので、こまめに充電する必要もなく、2-3日程度ならかなり使い倒しても充電を意識しなくてもいいほど。
願わくば、将来のiPhoneでもApple Pencilに対応して欲しい。やっぱりiPadぐらいの大きさになると、どこでも気軽に出すというわけにもいかず、落ち着いてiPadに書き込める場所と時間を選ぶ。
これがiPhoneだと電車の中でも立ったままApple Pencilで手書きできるようになる。次期バージョンではApple Pencil対応にぜひ期待したい。でないとGalaxy Noteに移るよ。
あ、それと、iPhoneにApple Pencilが対応するならそれなりに小さいPencilをよろしく。
まとめ
動画編集や大画面で雑誌を読むということをしない限りは、個人的にはiPad Proでなくても十分と感じてる。
実際1年近く使ってるけど、「遅いなぁ」とか「Apple Pencilの反応が悪いなぁ」と思ったことは一度もない。一回もないのよ。廉価版なのに素晴らしい端末です。
奮発してProを買うなら、廉価版+Apple Pencilを買った方が幸せになると思う。
WiFi版ならAamazonでも4万円ぐらいで買えるね。
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