想像以上に重い仕事:裁判員裁判に選ばれたら
裁判員裁判の実際
昨日同窓会があって、そこで30年振りに会った男性が裁判所で事務をしている人だった。
裁判員裁判ってどうやったら選ばれるの?とか、日当はあるの?と、いろいろ生の現場の話を聞けたので紹介する。
ちなみに、ちゃんと法律的にどうなっているかはぐぐってもらえればたくさん出てくる。昨日の話を聞いた上で、自分もちょっとぐぐってみたけど、感想は「それじゃぁ、よー分からん」と。
ごちゃごちゃ説明が長すぎて、むしろ分かりにくいんだよね。でも法律の出典とか記載されてるので、正確にはそちらを参照されたし。
招集予定は前年11月に来る
翌年度に行われる予定の裁判員裁判で、あなたは裁判員になるかもよーという案内が前年の11月に郵送で来るそうだ。
ただ、これが来たから必ず選ばれるわけではなく、あくまでこの時点では候補になったというだけ。
このあとアンケートに答えたり、面接があったりして、正式に選ばれる。
その場に同席していた別の同窓会の男性が、「友人が以前候補者になったことがあって、やる気満々で面接に臨んだら、落ちてしまい、がっかりしていた」と言ってた。
やる気満々だったのが逆に「不適合」って判断されたんじゃね?って、みんなで笑ってた。
どの裁判の裁判員になるのか?
これは自己都合では選べないらしい。いついつ、これこれの裁判があるから、裁判員よろしくという案内がやってくる。
まぁ、裁判自体前もって分かる性質でもないけど(分かるなら、それこそマイノリティ・リポートの世界だ)、仕事してる人なら休める時期と休めない時期もあるからね。
拘束時間、期間は?
めでたく裁判員に割り当てられたら、基本的にその期間は全部有給休暇を取らないといけない。
裁判は朝から始まるものもあるし、1日続くこともある。
ただし、裁判員裁判になるものは、期間短縮のために期間が長引くようなものはほとんどないということ。ニュースで話題になるような裁判は何年も、下手すると10年以上かかるものもあるけど、裁判員裁判でそういうものはない。
「ざっくり平均すると、拘束期間はどれぐらい?」と質問すると、「ほんとにざっくりだけど、だいたい7-10日ぐらい」とのこと。
だから、1週間から2週間連続で有給休暇を取れる人でないといけない。
最近は企業側も理解が進んでいるので、裁判員裁判の事由による連続2週間の有給休暇は結構認められる時代になってきたとか。
日当は?
1万円ぐらいとのこと。ちゃんと出るんだね。しかも旅費(交通費)も出る。宿泊が必要な場合宿泊費も出る。
東京オリンピックのボランティアよりはるかにいいじゃないか。ボランティアだから日当が出ないのはいいとして、移動にかかる交通費も宿泊費も出しません、それで9万人集めますって正気の沙汰とは思えない。
裁判員がすること
実際に裁判に参加して、双方の言い分を聞く。そして有罪か無罪を判断する。さらに量刑を決める。
この「量刑を決める」というのが裁判員裁判のもっとも特徴的な部分。
アメリカの陪審員制度と似てるけど、あちらはあくまで有罪か無罪を決めるだけ。量刑は裁判長が決める。
しかし、日本の裁判員裁判は量刑まで決める。裁判長はそれを被告に通知するだけ。
うっへー、まじか。
いくら犯罪者とはいえ、有罪か無罪かを決め、有罪と判断した場合、他人の人生を刑務所に拘束する期間まで決めてしまうのか。
それ、めちゃくちゃ重いな。
そこまで他人の人生に対して責任を負えるのか。特に死刑が求刑されている事件なんかは重いよなぁ。
世界はどうなってるのか
これは同窓会で聞いたことではなく、ぐぐった結果なんだけど、国民が裁判に参加する制度はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア(裁判所のHP)などでもあるようだ。
しかし、アメリカは陪審員制度なので量刑は決めない。
ヨーロッパは死刑が廃止されてる。
つまり、国民が「死刑を言い渡す」可能性があるのは今のところ日本だけらしい。
これは重いよ。なんで量刑まで決める制度にしたんだ、日本は。
自分は参加したくない
裁判員裁判制度の目的は、「より国民の理解しやすい裁判を実現すること」らしい(裁判所のHPによる説明)。
いや、理解していますから。特に不満ないですから。
裁判官の選挙もちゃんと毎回参加していますから。
だから、裁判のような高度な専門知識と経験が必要な職務は、専門家で行ってください。お任せします。