有給休暇を寄付またはシェアする制度を日本では作れないのか

有給休暇を寄付またはシェアする制度を日本では作れないのか

フランスにはマティス法という有休を寄付する制度がある

ざっと調べた限り、有休を社員同士で融通しあう制度はフランスだけのようだ。マティス君という9歳の少年がガンの闘病をしており、看病で有休を使い果たした父親のために同僚たちが自主的に始めた有休の寄付。父親は寄付された有休を使ってマティス君が旅立つまで看取ることができた。これがきっかけで法制化の動きが進み、2014年に制度化された。

日本でも欲しいと思う理由

それは育児に忙しい若い夫婦のためだ。

日本には育休の制度がある。育休には「育児休暇」と「育児休業」の2種類ある。育児休業は法律で定められた制度で一定の給付金が支給される。一方の育児休暇は単なる休暇なので基本的には無給。

うちの会社でも若い夫婦に子どもが生まれて育休を取る社員がいる。だいたい半年〜1年ぐらいは休暇を取る。育児休暇を取ることで「無給でも構わないけど、長期間休みを取っても解雇にはならない」となるのかな。取ったことないのでよく分からない(うちは子どもがいない)けど、みんな半年〜1年後にはちゃんと職場復帰している。

それと平行して育児休業の制度を利用して、一定の給付金をもらっているのでしょう。私たちが20代の頃に比べれば国の制度も整ってきたなと実感する。給付金の額を見ると「安いなぁ」とは思うけど。

そこまではいい。給付金はもっと上げるべきだとは思うけど。

問題はその後だ。

育休はたいてい産後直後から1歳になるまでに取っている人がほとんどだろう。というか、それしか見たことがない。給付金の制度も基本的には1歳の誕生日までとなってるし(例外あり)。

しかし、職場復帰した後も大変なケースが続出している。子どもはすぐに熱を出したり、体調が悪くなるので、保育園で預かってもらえないのだ。

保育園によっても違うみたいだが、朝、家を出る前に検温し、保育園についてからも検温し、たとえば37度以下でないと預かってもらえないという保育園もあるみたいだ。

さらに、日中子どもが発熱をすると「引取にきてください」と連絡が入り、お父さんもしくはお母さんは早退せざるを得ない。

そうやって勤怠だけを見ると歯抜け状態になる日々が数年続く。

子どもの体調に振り回されるだけでも大変だなぁと思うのに、心配になるのが有休残だ。

感覚的なものだけど、小さい子どもがいるサラリーマンは多い時で週に一回、最低でも月に1-2回は子どもの体調による有休を取らざるを得ないように見える。

おそらくそれだけで支給された有休日数は使い切ってしまうだろう。使い切っても子どもの体調は待ってくれないので、その後はすべて減俸扱いになっているはずだ。

さらに。

それでなくても育児のストレスは大変なものだと想像する。特に働きながら育児をしている女性のストレスは男の比ではないだろう。

そんな女性の有休残がなくなるだけでも問題だと思うけど、なくなることによって、「年に1回ぐらいは温泉旅行でリフレッシュ」という、本来の有休の使い方ができないことだ。

昭和の時代なら「子どもがある程度の年になるまで親は犠牲になるべきだ」という価値観は確かにあった。でももうそんな時代ではない。

育児をしている親も通常の有休の使い方はできるべきだ。でも育児だけで有休を使い切っている。

自分の周りの育児夫婦サラリーマンを見ていて、そんなジレンマを感じる。

だから、「自分もしくは同僚たちが残っている有休を寄付もしくはシェアできないものか」と以前から思っていた。

フランスのマティス法は障害や重い病気を抱えた子どもを持つ親に適用されるみたいだけど、それを0-3歳ぐらいまでの子ども全般に広げるべきだと思う。

有休の寄付は単純に「私の有休から3日を〜〜さんに差し上げます」と申請するものだ。

事例をぐぐると、アメリカでは企業が行っている例もあるようだ。

有給休暇の寄付

2009年のブログ記事だから、もう10年近く前の話になる。さすがアメリカと思う。

で、どうやらネットで調べた限り、社労士の記事を見る限り日本では企業が自主的にこういう有休の寄付制度を設けるというのは法的に難しいようだ。

だったら、国の制度として制定すればいい。ワークバランスだ、働き方改革だ、少子化対策だと言うなら、国として本気で小さい子どもがいる若い夫婦を支えるべきだ。

もう一つの「有休のシェア」というのは、いわば有休のデポジットみたいな制度。

有休を譲ってもいいよって中年のおっさんサラリーマン(オレ)は、どうせ毎年有休なんか使い切ってないでしょ?

日本は有休消化率が世界で最下位らしいけど、使い切っていない働き方に特に不満を持っていない中年高年サラリーマンも多いはずだ。「別にいいんじゃね?そんなもんでしょ」みたいに淡々と働いている人ね。

そういう人は、「どうせ毎年消化できずに消えていくんだから、5日間は会社に預けておきます」という制度が有休のシェア。

これをすることで、会社全体で例えば50日間の「浮いた有休」がデポジットされる。

一方で、有休を使い切った若い夫婦は申請をして、シェア有休から休暇を譲り受ける。当然減俸対象になんかはならない。

預けている方も放棄したわけではなく、単に預けているだけなので万一大きな病気をして長期入院となった場合「デポジットした有休を返してもらいます」ということもできるようにする。

もし日本で有休寄付/シェア制度を導入するなら実現してほしいこと

それは、この制度によって支給される付加的な休暇の使用用途を「限定しない」こと。つまり、その休暇で海外旅行に行っても全然いいわけだ。

フランスのマティス法や、先のアメリカ企業の話では、小さい子どもが障害を持っていたり、育児のためにという条件が課されていて、それを証明する申請が必要になっている。

はじめの一歩として、こういう制度があること自体素敵だとは思うけど、一方で「育児に疲れている夫婦自身にもリフレッシュできる休暇を作ってあげようよ」という課題は解消されない。

育児に疲れていても、いや、疲れているからこそ、たまには旅行にも行きたいだろうし、平日の日中にぶらっとショッピングもしたいだろうし、同窓会ぐらい出たいと思うこともあるだろう。

それを国と会社が制度としてサポートするのだ。

「不正に利用する人もいるんじゃないか?」という疑問が出てくるだろうけど、大丈夫、日本人はみんな礼儀正しい国民だから、不正利用なんてほとんどないよ。あったとしてもレアケース程度で、そんなレアケースを心配して制度化しないよりは、さっさと法整備して若い夫婦を精神的にもサポートしてあげた方がいい。

子どもは宝

少子化で人口がどんどん先細りしている日本。だからこそ、子どもは宝だし、産んでくれて、育児をしてくれている若い夫婦は国を挙げてサポートすべきだ。

ひとつは税制、ひとつは休暇だと思う。

税制は我々サラリーマンではどうしようもないので行政にお任せするしかないが、休暇は我々も協力できる。

世界的にそういう動きになればいいなと思うが、まずはこの日本から率先して取り組んで欲しいと真摯に願います。

 

 

 

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