大きな会社を渡り歩いてきた著者
どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール
ダイヤモンド社
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著者は転職を12回してきたそうだ。自分は9回してきたけど、負けた。まだまだだな。
12回といっても、リクルートやマッキンゼー、グーグルなど名だたる大企業で仕事をしてきた著者なので、経験値が高い。もちろん意識高い系の人だ。
そんな人が独自の意識高い感をもって、こういった勢いのある会社ではどんな仕事の取り組み方がされているのか、また著者が関わったプロジェクトはどういうものだったのかがたくさん記載されていて、読んでいて楽しい。そして大変な刺激を受ける。
ブランディングについて考えさせられたiモードの話
著者はNTTドコモにいた時松永さんと一緒にiモード立ち上げに関わっていたそうだ。iモードプロジェクトの話はそれこそ松永さん自身も本を出しているのでよく知られた内容だ。
しかし、著者が書いているのはその裏側の話。当時iモード立ち上げのメンバーの間ではある決めごとというか目標があったそうだ。それは平たく言うと汎用化、コモディティ化を避けるということ。
例えば、本書でも出てくるエピソードなのだが、ゼクシィというサービスがある。今、日本人が結婚式で調べ物とか予約をしようとしたら、まず間違いなくゼクシィを見るよね。
つまり、ゼクシィはその言葉だけで一つのブランドになっており、ゼクシィ=結婚ではない。検索で結婚というキーワードよりゼクシィが上に来たこともあったそうだ。
iモードもそこを目指していたという。モバイルインターネットのことだよね?という汎用化を避けようとしていたらしい。
こういった話がたくさん紹介されていて、次はなに?と、ページをどんどんめくりたくなる。それほど著者の人生と人生観が詰まった本だった。
また、本書の中で著者は「ワークライフバランス」ではなく、「ライフワークバランス」を目指せと書いてる。これもグーグルのポリシーが参考になっているのだが、刺激を受ける段落だった。
仕事と人生への活力が湧いてくる本
こういう刺激を受けて、早く明日にならないかなと思わせる本は実に久し振りだった。手元に置いておいて、ちょくちょく読み返し、刺激を受け、明日への活力をもらう、そういう本だった。ギアをトップに入れて充実した人生を送りたいすべてのビジネスパーソンにオススメ。